Throwback 2018
San Francisco
21-23th Nov, 2018
ヴァンクーバー〜ポートランドと南下しこの度の最終目的地であるサンフランシスコに到着しました。
第1章でもお伝えしたように、サンフランシスコは10歳の時に初めて両親に連れて行ってもらった海外なのですが、2018年の旅では、当時家族と行った場所に偶然辿り着いたり、そういえばここにも来たかもという記憶が蘇ったり。またシューズデザイナーになりたいと思ったきっかけとなった街の空気感を思い出していくことになりました。
例えば、このフィッシャーマンズワーフ。野生のアシカが、これでもかというくらいデッキに横たわっています。旅に出る前には完全に忘れていた光景でしたが、 現地に偶然たどり着いた瞬間の海風の匂い、アシカの鳴き声、空気。幼い頃にここに来たという感覚が呼び起こされました。
そうそう、有名なケーブルカーのことも鮮明に思い出しました。旅行に行く前に家族が送ってくれた写真なんですが、昔と今で変わっている部分があったり、変わっていない部分があったり。比較すると面白いですよね。(あ、ハンバーガーチェーンが変わっている。)
そんな思い出巡りもあったサンフランシスコ。
父に連れてきてもらった10歳当時、バスケットボールを始めたことをきっかけに、何となくシューズデザインって面白いよなと思っていたのが、この旅で一気に加速しました。
本来であれば、プレイ自体にのめり込み、将来NBA選手になりたい!というのが常かもしれませんが、僕の場合はプレイするよりシューズデザインする方に惹き込まれていった記憶があります。
現地でNBAを観戦しながら、好きなものが変わらないことに改めて気づかされました。
当時、雑誌で見るスニーカーがすぐ手に取れないという状況に、なんとも歯痒さを感じていて。
それがサンフランシスコに行ったとき、日本では発売されていない有名バスケットボール選手の名前がついたシグネチャーモデルと言われるモデルが並んでいたり、雑誌で見ていたものが実際手に取れるという喜びたるや。
憧れていたスニーカーに実際触れることができたり、見たことのないスニーカーを発見出来たワクワク感だったり、それを本場のアメリカで購入した興奮。今でもしっかり覚えています。
そういった思いも紐付き、改めて将来シューズデザインをやりたいなと、おぼろげでも思ったのが、この家族と行ったサンフランシスコの旅だったんです。アメリカで、どのモデルのスニーカーを買ったかもはっきりと記憶に残っています。
大人になって久々に訪れたサンフランシスコでは僕の現在の仕事につながるルーツを思い出しました。
この旅を通して、幼少時から無意識ながらシューズに導かれていた部分を再認識し、さらにシューズ作りの楽しさや魅力を改めて感じ得ることのできた旅でした。
このジャーナルを書いていて気づいたのは、僕のキャリアのきっかけも”旅”から生まれていたこと。
10歳と幼かった僕がこうしてそれから30年たった今でも夢中で物作りができるのは、初めての海外旅行から始まっていたんですね。
旅は時に人の人生すらも動かす魔法のような力があります。
数十カ国を旅する中で経験したこと、感じたことは全て僕の中に蓄積され、成長へつながっているような気がします。辛いこともピンチも当然ある。けれどまだ見ぬ何かを探して旅を続けていきたいと思っています。
今回は4週にわたってカナダ・アメリカの西海岸をバンクーバー〜ポートランド〜サンフランシスコと南下した2018年に旅した時のことを振り返りました。
今振り返ればというところもありますが、現在のAS A BIRDを形作るきっかけが散りばめられた旅でした。次はどの旅を振り返ろうかと思いを馳せています。また次回もお楽しみいただけますと嬉しいです。