Throwback 2025 "Milano Design Week"

Throwback 2025
Milano, Italy


僕にとってMILANOは気がついたらそこにいる。そんな不思議な街。


久しぶりのトラベルジャーナルの更新は割とリアルタイムなお話です。

ミラノへの2週間弱の連続滞在は過去最長。やっと昨日帰ってきました。


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今回はMILANO DESIGN WEEK 2025に出展するためにイタリアのミラノに15時間飛行機に乗って行ってきた。そう。遠いのだ。直行便で15時間もかかるのだ。

1月のメゾンエオブジェパリでサポートさせていただいたBEFORE VINTAGE FURNITUREチームに『ミラノデザインウィークも行かない?』とお誘い頂いたことがきっかけ。

翌日には「行く。」と返事をさせて頂いた。このチームと行くなら絶対に楽しいことが起こると思った。


ミラノを初めて訪れたのは会社員時代の頃。20代の初め。

Lineapelleという革の展示会で素材をピックするための出張の機会が訪れた。

この展示会は現在ミラノで行われているけれど、当時はボローニャで開催されていて、ミラノには数日リサーチで寄った程度。


『良いチャンスをもらった。今後に繋げられるように、しっかりと吸収してこよう。

もう来る事もないかもしれないし、毎日限界までワインもたくさん飲もう。』と思っていた。

(ワインがあまり体に合わないと気がつく前のこと。今回も現地での旧友との再会に喜び、飲みすぎてしまった。)


正直、初めはなんか馴染めないなぁと感じたミラノ。苦手とさえ思ったこともある。

いや、確実に食べ物以外は、全然好きじゃなかった。

まさか最低でも一年半に1回、定期的に訪れることになるとは。

そして会社を立ち上げた現在に至るまで現地を訪れた回数は十数回となった。



しかし、「噛めば噛むほど」とはよく言ったもので、

数回訪れた時から、なんか少しずつ好きになってきて、
今回はなんと空港に着いた時に「そうそう、このムード。帰ってきた。」と思ってしまうのだから不思議である。


関係性の作り方もなんとなくわかってきて、

今回の滞在中に毎朝通うようになったBARでは、頼まなくてもウインクと共にコーヒーが出てくるようになったし英語が話せないお菓子担当らしきおばちゃんとも、「今日のアップルパイは出来が良いから食べて身みて。」と言葉を超えたコミュニケーションまで取れてしまった。


展示会場に毎日のように来てくれる地元のお姉さんまでできてしまった。とにかくたくさんの僕たちの話を聞いてくれ、「Si,Si.うんうん。」と目を輝かせながら頷いてたくさんのアイテムを買ってくれた。


若かったの自分に言ってやりたい。

「40歳頃まで通い続けるとミラノで少しずつ友達ができるぞ。」と

「なんだか興味を持ってくれる人が少しずつできてきて、どんどん街に馴染んでいけるぞ。」と。


AS A BIRDの定番モデルにもMILANという名前のモデルがあって、

実は昨年の秋から売り上げを伸ばしつづけているヒットアイテムになった。

もしかしたらこのジャーナルを読んでくれている人の中にも、履いてくれている人がいるかもしれない。

正直にいうと、最初はこの靴は少し硬い。


それには理由があって、「20年後にも旅先に連れてってもらえる靴」というコンセプトで作ったモデルだけに、耐久性と安定感は抜群。どんな路面でも疲れ知らずで歩けるように作ってある。

特に女性のユーザーが多いこのモデル。もしかしたら履き慣らすまでに時間がかかった方もいるかもしれない。


でも大丈夫、僕たちを信じて、少しずつ履き慣らしていけば履けばゆっくりあなたの足の形に馴染んでくるから。

10回〜20回程度履いたら、あなたの足のよく曲がる部分の革の繊維がほぐれ、靴内底面にあなたの骨の形が記憶され、もう手放せない一足になるはずだから。

それを超えた方ならわかるはず。こんなに体の一部になった靴は今までなかったと。

気がついたら頃にはすっかり馴染んでいるミラノの街のように。





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入荷してもすぐにご縁があり、お客さんの元に旅だってしまうMILAN。

一時期は最大4ヶ月お待ちいただいたお客様もいて、もうすぐ予約のお客様へのお届けが完了予定です。本日時点でも在庫はかなり少ないけれど、7〜8月頃に次回入荷も予定しています。

お気軽に試しに来てもらえると嬉しいです。

さて、時差ぼけと疲れも残っているので、
この辺りで今回のジャーナルを締めようかと思います。

今まではThrowback Seriesとして過去の旅を振り返り、私たちのものづくりに影響を与えたことを振り返っていますが、

今回は割とリアルタイムに配信できて嬉しく思っています。


次回もお楽しみいただけますと嬉しいです。